うーさん日記

無職.comにて日記をつけておりましたが、無職でもないのでこちらに引っ越すことにしました。介護職なのですが、独特の介護感をメインに書いていきます。

あの日に帰りたい

 新聞で読んだ話。(内容は簡略しています)
 
「ある老人施設での出来事。おばあさんが歌を口ずさんでいる。そのおばあさんが話す。戦争中、お兄さんがハーモニカを買ってくれた。そのお兄さんは戦争に行った。お兄さんが帰ってくる日を信じて一生懸命ハーモニカを練習した。お兄さんは帰ってこなかった。お兄さんが眠るフィリピンに行ってハーモニカを吹きたい。」涙を流す。


 彼女はあの日に帰りたいと思うのだろうか。戦争中という悲惨な状況ですら人はそう思うのか。
 施設というのはある意味、姥捨て山だ。外界とのつながりを遮断される。外に行きたいと思っても出ることは許されない、電話をかけたいと思っても電話を使わせてくれない。施設は、老人のみを向いて行動しているわけではない。家族の意向、社会の意向の方が優先される。老人たちはあきらめる。生かされるしかない。不本意ながらここで・・そう思う。
 
 僕は、施設ではよく童謡や唱歌を歌う。歌は、僕にとってはコミニュケーションツールの一つ。会話が成り立たない高齢者でも童謡や唱歌は一緒に歌ってくれる。歌っている間にご機嫌になってくれる。そして笑ってくれる。一緒に歌うことで、共に生きていることを僕は実感している。

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