うーさん日記

無職.comにて日記をつけておりましたが、無職でもないのでこちらに引っ越すことにしました。介護職なのですが、独特の介護感をメインに書いていきます。

自らで立つ

太史慈大吾(92才、男)
 彼は車椅子で自走する。トイレに行きたければ勝手に行くし、部屋に戻りたければ勝手に戻る。私はそれでいいと思う。しかし施設はそれを許さない。危険だから。職員の目の届かないところで転倒されると困るのだ。この3年で5回も転倒している。命に別状がなかったから良いが、なにかあったらと考えるとぞっとするのは理解できる。
 
 彼が何らかの欲求によって、職員の目の届かぬところに行こうとする。職員はあわてて彼に近寄り、止めようと説得を試みる。何故説得されてるのか、わからない。彼は不機嫌になり、職員を無視して突き進もうとする。職員は根負けして彼の行きたいところへ車椅子を押して連れて行く。時間短縮のためだ。彼は困惑する。なんで頼みもしないのに勝手に押しだすのか。怒りが爆発する。職員は当惑しつつも車椅子を押し続ける。彼の意思は尊重されない。


 彼には動こうとする意思がある。人様に迷惑かけずともなんとかやってやるという気力もある。身体は動かさないとどんどん動かなくなる。我々は彼の気力を奪ってはいけない。気力があるからこそ動こうとするのだ。彼が動こうとするのなら、我々は、そのように支援していくべきである。


 職員も職員で、時間短縮でと車椅子を押し始めると、それが当たり前となってしまった。彼が車椅子を自走する機会はみるみる減っていった。つまらない顔をしている日が多くなった。食事量も徐々に落ちていき、うとうとすることが増えた。


 彼が一人でトイレに向かおうとしていた。声をかけると「うるさい。あっち行け。」と不機嫌になる。黙って彼を見守った。彼が車椅子から立ち上がろうとした際、案の定ブレーキをかけ忘れていた。軽く肩をたたき「ブレーキをかけてください。」とやさしくいった。「ありがとう。」といわれた。彼はトイレから戻ってきて「一人でできた。」と満面の笑みを浮かべていた。気力を奪う介護はしたくないと思った。


 私の父が、亡くなる数週間前、病院から外出が許可された。「もう長くはないから、家で過ごす最後のチャンスです。あと1週間もすればそれもかなわなくなります。」短い時間だったが、父は家で過ごす最後のチャンスを得た。肺がかなりやられており、立ち上がるのも必死だ。実家にたどり着くには5メートルほどの石段を上らなければならない。私は手を貸そうとした。父はそれを拒絶した。自分の力で家に帰る、その意思をもって石段に挑んだ、這いつくばりながらよじ登っていく父が印象的だった。家にたどり着いた父はゼーゼー息を切らしていた。満足そうではなかったが、達成感は十分に感じているようだった。


 身体が衰弱して、どんどんやれることが減っていく。息をすることすら苦しい。「歩く」、「石段を登る」、「食べる」・・単純なことかもしれない。自分にできることはなんだ。自問自答したろう。手を貸さなくてほんとに良かった。生きようとしたんだろう。邪魔しなくてほんとに良かった。


 父は、死ぬということがわかってから、父なりに生きようとした。生きたかったんだろう。私は、父が生きようとした姿を最後の方で見ることができてよかったと思っている。一番大事なものを教えてもらったと思っている。弱さをさらけ出したこともあった。感情を爆発させることもあった。それらすべてが、あるがままの自分を受け入れようとしていたんだと思う。


 私は太史慈大吾の生きざまを見ていたい。力強く突き進む彼の姿を、強い意思を見ていたい。意思とはすばらしいものである。


 

事件-介護(ちょっとしたことで)

消防車ってかっこいいですねエ!ま、いつも通り本文とは何の関係もないんですが。


 前回、老健それいゆに関して私見を述べましたが、なんか退職させられた職員がいかにも犯人みたいな書き方になっていて、猛省しております。事件か事故か、まだ何もわかっていない状況ですから、本来、何もいうべきではないんでしょうけどね。相模原の事件や、どこぞの老人ホームでの睡眠薬混入事件とか、とんでもない事件をちょくちょく耳にすると、どうしたもんかな~と思うわけです。


 さて、今回は、ちょっとしたことで高齢者は負傷するというお話をします。


 歳をとると骨がもろくなっていきますよね。これが寝たきりの老人になると、本当に脆い。しかしながら、体は動かさないからどんどん固まっていくわけです。骨は脆いのに腕は縮こまって、脚はへんに突っ張ったり曲がったりしているわけですね。


 寝たきりというくらいだから、1日中ベッドで寝てるわけです。たまにはシーツの交換でもしてあげないと不衛生で仕方ありません。それで、シーツ交換しようと職員二人がかりでその高齢者をそーっと抱きかかえるわけです。それで骨折です。


  脳梗塞なんかで半身麻痺とかになってしまうと、動かない部分ってでてきますね。身体を動かさないと、どんどん固まっていくんです。腕や足を小さく折りたたんで縮むように拘縮してしまった高齢者、着替えるのが大変なんです。手足が動かないと服ってなかなか着せられるものではないんです。服を着せようと少なからず力を入れると皮膚が破けたり、内出血したりするんで、取り扱いがデリケートですね。


 誤嚥って聞いたことあるでしょう。食べ物を飲み込むのに失敗して、気道に入っていって窒息しかかるみたいな。施設高齢者では、けっこう多いです。食べ物を飲み込む機能が低下しているんですね。食事形態に気を配ったり、時間をかけてゆっくり介助するとかの努力はしてますが、なかなかね。よく起こりますね。食事姿勢も大切だと思うのです。看護師は、誤嚥を防ごうと、椅子に深く座らせ、座位時の姿勢を直角に近づけるよう指導してくるのですが、円背の高齢者だったら口が完全に下を向いてしまうわけです。口を閉めることが苦手な高齢者は、多くが口からこぼれてしまうわけです。高齢者その人を見て対策を打つならいいんですが、施設を利用する高齢者全員にそれを要望するというのは無理があると思います。


 精神薬を使っている高齢者ってけっこう多いんです。でも精神薬ってけっこう難しい。効きすぎると廃人のようになったり、足取りがおぼつかなくなり転倒したり、効きが浅いと暴力・暴言が出たり。薬の量は医者が決めることですから、私たちにはなんともなんですが、昨日までおだやかだった高齢者が、突然凶暴になったりされると事故や怪我につながっていくと思います。


 今回のそれいゆの死傷者が出た件が事故か事件かはわかりませんが、私としては介護職員の「100%やってない。」を信じます。ただし、気づかぬうちに負傷させてしまったということはあると思います。それはこの介護職員だけでなく、他の職員も含めてです。今回の件が、うやむやにならず、正しく検証されることを期待します。

公園ぶらり♪

球戯場です。何を観ているんでしょう?

ラクロスとかいう競技だそうです。

池に咲いてました。

女子サッカーかな?

ごめんなさい。気持ち悪いですね。

背中が素晴らしい(^^)


お疲れさまでした。