うーさん日記

無職.comにて日記をつけておりましたが、無職でもないのでこちらに引っ越すことにしました。介護職なのですが、独特の介護感をメインに書いていきます。

理想と現実

  会社の同僚が資格取得に向けて通信教育を受けています。通信とはいっても数回の実習も含まれていまして、彼女は大変なようです。こないだも実習で合格をもらえなかったと凹んでおりました。


 高齢者がいたとしましょう。その方は左半身麻痺です。ベッドから車椅子に移りたい。介助が必要です。私ならどうするか。両脇に手を入れ、上体をホールドし、一緒に立ち上がり、向きを変え、車椅子に座らせます。通信の彼女も実習でそのようにしたようです。そして不合格となった。


 残存機能を生かした介助だったか、本人のタイミング、意思を確認したか、適切な状況判断だったかがポイントのようです。前述の高齢者が自分で立つことができたならどうでしょう。わざわざ立たせるまでもない、立ち上がるように促すだけでよいはずです。すべてを介助者がやってしまうと受ける側はそれに同調してしまう、結局できてたことも徐々にできなくなっていくのです。残存機能を生かす、大切な視点ですね。


 しかし、たしかに正しいと思うのですが、私が日頃やっている、ほとんど介助者によって行われる介助(全介助といいます)は間違いなのでしょうか。本日はここにスポットを当ててみようと思います。


 私は、施設の高齢者の移乗を3つに分類しています。何も必要のない人、一部介助が必要な人、全介助の人。何も必要でない人は見守りする程度で良いです。一部介助の人は、立ち上がれる、歩くことはできるが転倒リスクがある人です。全介助の人は、少しは立位がとれるが長続きしない人、または全く立位がとれない人です。


 私は、この人にはこういう移乗が合っているとかあまり考えません。一部介助の人なら麻痺側をホールドするくらいでしょうか。それで不都合を感じたことはありません。全介助も3つのバリエーションがありますが、その高齢者が痛がらない方法を選んでいるだけです。


 特養のような施設では、それくらいでいいのではと思っています。その人に合った、その人のリズムに沿った、残存機能を生かした介助、それはそれで理想ではありますが、時間がかかります。時間がかかるということは、手薄になるところ(危険なところ)が出てくるということです。高齢者10人を一人で見ていたとしましょう。このうち1名がトイレに行きたくなった。良心的な介護職員なら連れて行くでしょう。職員の注意は、この一人の高齢者に集中することになります。残る9人はどうなるのでしょう。9人のうちの一人がふと立ち上がり一歩踏み出すと同時に転倒した、そうなったら大惨事です。転倒は高齢者の認知症を一気に悪化させます。それまで職員とおしゃべりができていた高齢者が別人のように何もできなくなったなんてことがあるのです。


 では、こういったシチュエーションで職員がとるべき行動は・・一番多いのは待たせることです。しかし考えてみてください。いまにも漏れそうなときに待たせられるということを。普通の人なら「何故だ。」と思うでしょう。そして職員の言うことを押し切ってトイレに向かうのではないですか。それを押し止められたらどう思いますか?怒ると思います。怒って当たり前です。次に多いのが、さっと連れて行ってさっと終わらせる。残存機能なんていってられません。さっさっさと終わらせるのです。短い間であれば、リスクも低くおさえられます。経験的に、今なら大丈夫という時はそうしています。安全という観点でみるなら待たせるが正解です。それで納得できる高齢者なんてごく一部ですが。でもトイレに行きたいという本能的欲求までおさえるというのは、高齢者の気持ちをあまりにも無視しているようにも感じます。私は多少のリスクを冒しても連れていきます。


 待たせるが正解だったとして、問題があります。いつまで待たせるのか。答えは他の職員がくるまでです。それはいつのことでしょうか。高齢者にはわかりません。わからないまま待つしかないのです。もう一つの問題があります。待って、他の職員がやってきた。さあ、トイレに行った。残存機能を生かした介助なんてやってくれません。さっさっさと終わらせられます。理由はあとの業務が控えているからです。


 私は、なるべく時間のゆとりを持てるように書類等は昼休みにやるし、緊急性のない仕事は勤務時間外にやっています。では、他の職員にそれを要求できるかといったら私にはできません。


 学校で教わる介護は、とても綺麗ごとのように感じます。しかし、私のいる施設では、
その要素を少しは取り入れたほうがいいんじゃないかとも思います。できるできないではなく、参考にすることはできると思うのです。通信を受けている職員がうらやましい。ぶつぶついいながら、前向きに取り組んでおります。まぶしいです!


 

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